80歳まで生きることができた場合、それはおおよそ4000週間の人生だったと言えます。
4000週間と聞いてどう思うかは人それぞれだと思いますが、私は物凄く短そうだなと思いました。一度切りの人生がたった4000週間で終わってしまうのであれば、どのような人生を歩んでどんな最期を迎えたいかを、もっと真剣に考えた上で今を生きる必要があると感じました。
特に、現代を生きる私たちは昔に比べて加速化した時間の中を生きています。『現代人が1日に受け取る情報量は、平安時代の一生分であり江戸時代の1年分』と言われています。昨今のSNSに蔓延するいろいろな誘惑や罵りあい、過度に美化されたインフルエンサーの生活やその容姿など、4000週間しかない人生の時間からすると、どうでもよい情報で溢れすぎていて、その取捨選択の時間で生活のほとんどの時間が奪われているといって過言ではないと思います。
本書は、限りある4000週間しかない人生をどのようにしたら、「今、このとき」を噛みしめて生きられるかの時間管理に関する考え方やノウハウをまとめた本です。
「時間を無駄にしたくない」、「ToDoリストがいつまで経っても空にならない」、「今は完全無欠な未来のための準備期間と考えている」人のうち、いつまでも幸福感が得られていない人にとっては超おすすめできる本なので、ぜひ読んでみていただきたいです。
なんらかの目標やプロジェクトを掲げ、それに向かって努力することを否定する訳ではなく、多くの人が高すぎる目標設定で自分を追い詰めてしまっていることは往々にしてあると思います。
自分自身が4000週間しか生きられない限りあるものだということを認識すれば、到底できるはずのない数のつまらないタスクをToDoリストに追加せずに済みます。
最後に私が本書の中で一番心に残った一節を引用します。
確かに無限にくらべれば、4000週間は短いかもしれない。だけど、そもそも生まれなかった場合にくらべたら、4000週間もあるということはかなり恵まれたことじゃないか。何かが存在することが、どれほど驚異的か。それに気づかない人は、自分の人生を当たり前のものだと考える。自分の人生はすべて自分の好きにできるものであって、絶対に奪われてはならないと思い込んでしまう。でも、逆に考えてみてほしい。無限にあったはずの時間を奪われるわけではない。そもそも、時間が少しでもあること自体が、不可解なほどに奇跡的なことなのだ。
限りある時間の使い方(かんき出版) - オリバー・バークマン (著), 高橋 璃子 (翻訳)
少しでも気になった方は是非手に取っていただきたいです。ここまで読んでいただきありがとうございました。